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「直ちには補修不要」 原爆ドーム健全度調査 広島市

 広島市は27日、世界遺産の原爆ドーム(中区)で昨年11月から5月までした健全度調査の結果を公表した。2011年度の前回調査時から、壁のひび割れなどが進んでいるが「直ちに補修が必要ではない」という。

 調査対象は、ひび割れなどの外観、地盤の沈下量、壁の傾き、防水性の4項目。外観調査では、れんがのひび割れ(幅0・1ミリ以上)の総延長が342・7メートルあり、前回の1・2倍に延びた。市公園整備課は「時間の経過で劣化が進行し、対策を講じる必要がある」として、17年度の次回調査時に補修する方針という。他の3項目では大きな変化はなかった。

 この日中区で開いた、有識者たちのドーム保存技術指導委員会で示した。出席した9人の委員からは、「前回調査との比較だけでなく、初回からのデータをグラフで示すべきだ」などの意見が出た。

 市は1992年度から原則3、4年に1度、健全度調査をしており8回目。結果や委員会での意見を踏まえ、今後の補修方法を検討する。この結果とは別に、年内にも鋼材で補強する初の耐震工事を始めるという。(和多正憲)

(2015年8月28日朝刊掲載)

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