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島根原発3号機 制御棒装置 再据え付け 中電着手 

 中国電力が、建設中の島根原子力発電所3号機(松江市、137万3千キロワット)で、不具合が見つかり修理をしていた制御棒駆動装置の再据え付けに入ったことが14日、分かった。3号機はほぼ完成しているが、国による今後の位置付けが不明確。装置の据え付けと点検、実施中の津波対策などを終えると、設備面では運転可能の状態となる。

 中電は据え付け作業後も点検を続け、「年内を目標に原因を特定し、再発防止策を施したい」としている。ただ、運転開始には国の判断と地元同意が必要で、手続き面でなお曲折が予想される。

 今月上旬までに、点検に出していた茨城県日立市の日立製作所子会社の工場から装置全てを搬入。据え付け作業を進めている。再び不具合があれば、日立の工場に持ち帰る可能性もある。

 制御棒は発電の出力を制御する装置。中電は昨年11月以降、制御棒を動かす装置205体のうち、18体で動作不良を確認した。装置内に金属片などの異物が付着していた。

 中電は、3号機の営業運転の開始時期を今年12月から来年3月にいったん延期。さらに東日本大震災で日立の工場が被災し、作業が遅れた。福島原発の事故を受けた安全対策の実施もあり、現在は運転開始時期を未定としている。(山本和明)

島根原発 ストレステストを開始 1~3号機 外部に委託

 中国電力は14日、島根原子力発電所で、定期検査中の1号機と稼働中の2号機、建設中の3号機全てのストレステスト(耐性評価)に着手したと発表した。  中電はこの日、1~3号機の原子炉を設計、製造した日立製作所グループのプラントメーカーに評価業務を委託、作業を始めた。  中電によると、テストのうち再稼働を対象にした1次評価と、全原発を対象にした2次評価を並行して実施する。地震や津波と、それに伴う全電源喪失などのトラブル発生を想定。原子炉や周辺の配管などの耐久性についてコンピューター上のシミュレーションでチェックする。  中電は、2次評価の結果を期限の年内に経済産業省原子力安全・保安院に報告。1次評価の結果は「1、2号機とも定期検査を終えた段階で報告する」としている。  建設中の原発に対する評価について、国は明確な方針を示していないが、中電は自主的に3号機も対象とした。(樋口浩二)

(2011年9月15日朝刊掲載)

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