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全自治体へ平和資料 広島の団体送付 被爆体験継承目指す

 広島市の市民団体のメンバーたちでつくる「『広島からの発信』をすすめる会」は、平和教育に関する資料を全ての都道府県と市区町村に送った。風化が進む被爆体験や戦争体験を継承する平和教育を全国に広げる狙い。

 原爆資料館(中区)が貸し出す原爆や放射線被害を伝えるDVDやポスターのリスト、被爆地広島市の平和活動の紹介、広島への修学旅行の事前学習の方法など。平和学習の授業で教材に使える本や映像作品の一覧も同封し、9月2日に送り終えた。

 発送先は47都道府県の知事と1723市町村の市町村長、東京23区の区長。費用約15万円はメンバーや有志のカンパで賄った。市の外郭団体の広島平和文化センターが資料提供などで協力した。

 会は、広島ユネスコ協会理事で原爆絵本を海外に広める活動に取り組む柴田幸子さん(78)=安佐南区=の呼び掛けで2月に結成。柴田さんが代表を務め、平和活動や国際交流に取り組む市民団体やNPO法人の関係者が名を連ねる。

 柴田さんは「被爆者の高齢化で近い将来、被爆や戦争体験を聞けなくなる。今のうちに全国で平和学習を根付かせたい」と語る。メンバーの延本真栄子さん(63)=中区=も「次は平和学習について自治体アンケートをするなど活動の方向性を探りたい」と意気込んでいる。(金崎由美)

(2011年9月16日朝刊掲載)

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