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「平和守ろう」声高く 安保法案反対 「黙っていたら戦争に」 中国地方でも一斉行動

 「戦争はさせない」「平和を守ろう」―。全国で繰り広げられた安全保障関連法案に反対する30日の一斉行動は、中国地方の街頭にも広がった。

 広島市中区の本通り商店街周辺の路上には、市民や大学教授たち約500人が集まった。「ストップ!戦争法」「9条守れ!」などと書いた横断幕やプラカードを手に、1時間にわたって運動を展開。主催した市民団体「広島県9条の会ネットワーク」のメンバーは「安倍政権は日本が守り続けた平和と民主主義を壊そうとしている。市民一人一人が考えてほしい」と通行人に訴えた。

 参加した安佐北区の市嘱託職員井上千代さん(63)は「戦争は何の利益も生まない。黙っていたら戦争へと進んでいってしまう。これからも声を上げていく」と力を込めた。

 福山市のJR福山駅前では、市民有志でつくる「STOP!『戦争への道』福山総がかり行動」が集会を開いた。市民約600人が「大切な人を戦争に送らない」と書いたのぼりなどを掲げ、「平和を守ろう」とアピール。市中心部約3キロをデモ行進した。

 広島県原水協や県労連などでつくる「憲法と平和を守る広島共同センター」によると、法案への反対行動はこの日、呉、三次両市などを含む県内の計35カ所であった。参加者は計約2700人に上った。

 松江市のJR松江駅前には、約400人が集合。弁護士や大学教員たち8人が「法律家として違法と伝えなければ」「教育現場からも声を上げないといけない」とそれぞれの立場から意見を述べた。シュプレヒコールに続き、「武力で平和はつくれない」と声を合わせて周辺1・5キロを練り歩いた。

 市内の実家に帰省中の大学1年田中陽祐さん(18)=京都市=は、父や姉と参加。「若者の身に直接関わる法案。成立して社会が動いてしまう前に止めないと」と力を込めた。島根県内では安来、雲南、出雲の3市でも集会があった。

(2015年8月31日朝刊掲載)

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