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上関町議補選は舌戦開始 推進・反対派 女性2氏対決 山口

 上関町議補選には無所属新人の女性2人が立候補して5日間の選挙戦に入った。「早く原発建設を」「原発に頼らないまちづくりを」―。無投票となった町長選とは対照的に、推進、反対両派の主張がぶつかった。

 推進派の右田勝氏が昨年6月に死去したことに伴う選挙。妻千賀子氏は長島の事務所前で出陣式を開き、「主人はいつも『原子力発電所を早く持ってこなければ』と言っていた」と振り返り、推進派の町議でつくる原電推進議員会会長を務めていた勝氏の遺志を継ぐ考えを強調した。

 町内を選挙カーで回り、町中央公民館前でも「体力のあるうちに原子力を持ってこないと、町はなくなってしまう」と呼び掛けた。

 原発に反対する自然保護団体代表の高島美登里氏は、室津港で出発式を開いた。エコツアーや農水産物のブランド化、海藻の商品化を挙げて「自然を生かしたまちづくりを」と訴えた。

 船で町内を回り、住民の大半が計画に反対している祝島にも渡った。島民を前に「古里への愛情や誇りがあるから原発反対となる。祝島の原発に頼らないまちづくりを、町全域に広げたい」と声を上げた。

 現在の町議会の構成は推進派7人、反対派2人。政府の新増設方針が見通せない中、「無投票だった町長選の代わりに、活発な選挙戦で町づくりを議論してほしい」と60代の女性は求めた。(久行大輝、友岡真彦、増田咲子)

上関町議補選立候補者 (補欠定数1-候補数2、届け出順、敬称略)

右田千賀子 68 会社役員 無新
高島美登里 63 団体代表 無新

(2015年9月2日朝刊掲載)

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