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米4都市で被爆者健診 広島県、10日から

 広島県は10日から、米国4都市で、北米に暮らす被爆者の健康診断を実施する。国の在外被爆者支援事業の一環で、県を通じて事業を受託した県医師会が医師と職員計20人を派遣する。健康診断は南米と交互に隔年で続けており、北米は20回目。被爆2世を含め米国、カナダの約320人の受診を見込んでいる。

 第1班の健診団が10~22日にサンフランシスコとシアトル、第2班が17~29日にロサンゼルスとホノルルを訪問。心電図や血液など事前の検査結果を基に、現地の医師と共に問診したり、健康相談に乗ったりする。県や広島市の職員も同行し、原爆症認定や医療費助成など援護制度の利用相談にも応じる。

 北米への医師団訪問は1977年にスタート。2013年の前回は計331人が受診した。85年以降は、原則年1回、北米と南米を交互に訪れ、これまでに延べ計約8700人が受診している。県によると現在、米国とカナダには約千人の被爆者が在住している。

 総団長を務める県医師会の豊田秀三副会長は2日、第1班の桑原正雄団長と県庁で記者会見し、「被爆者や被爆2世の話にしっかり耳を傾け、心身ともに安心してもらいたい。声は国などへの要望に反映させる」と話した。(有岡英俊)

(2015年9月3日朝刊掲載)

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