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中電社長ら報酬返納へ 島根原発虚偽記録で管理責任

 中国電力島根原発(松江市)の低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる虚偽記録問題を受け、中電の苅田知英社長と関係役員が、役員報酬の一部を自主返納する方針であることが4日、分かった。内部調査では組織的な関与は見つからなかったが、経営陣として管理責任を取る。

 中電は5日、島根原発内の事務所で開く「原子力安全文化有識者会議」で意見を募り、来週にも調査結果と再発防止策を盛り込んだ最終報告書を地元自治体に説明する予定。自主的に報酬の一部を返納する方針も同時に伝えるとみられる。

 対象は、苅田社長や原発を統括する取締役が中心になる。中電の内部調査では組織的な関与は見つからず、役員の処分はしない見通し。ただ島根原発の安全性への信頼を揺るがせた組織の責任を明確にするため、自主返納の形を取る方向で検討している。

 虚偽記録問題は、担当社員が実際には機器を点検していないのに、点検したように虚偽の監査書類を作っていた。6月下旬に問題が発覚し、中電が内部調査を進めていた。

 中電は担当社員だけではなく、見抜けなかった組織にも問題があると分析。報告書には、社内でのチェック体制強化や社員の安全意識を高める対策を盛り込む方針だ。(河野揚)

(2015年9月5日朝刊掲載)

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