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つなぐ~戦後70年 核兵器廃絶の誓い新た 山口 ヒロシマデー200人参列

 山口県内で亡くなった被爆者を追悼する「山口のヒロシマデー」の6日、山口原爆死没者追悼・平和式典が山口市江良の原爆死没者之碑の前であった。県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市元町)の主催。参列した遺族たち約200人は平和な世界と核兵器廃絶の実現を誓った。

 1分間の黙とうをした後、碑に花をささげて死没者の冥福を祈った。5日までの1年間に亡くなり、遺族から記載希望のあった9人の名前を書き加えた計797人分の死没者名簿と、3人の遺骨の一部を納骨堂に納めた。

 被爆者を代表し永野和代さん(71)=同市矢原=があいさつした。永野さんは1歳の時、爆心地から約1・5キロの広島市中区幟町の自宅玄関で被爆。記憶の残っている被爆者から体験を聞き取り、山口市内で講演している。「残された人生を核廃絶に向けて尽くしたい」と力を込めた。

 被爆70年の誓いで、ゆだ苑の岩本晋理事長(72)は「核保有は破滅的な終末につながる。被爆者の声に耳を傾け、核を使わせず、廃絶していこう」と宣言した。

 山口のヒロシマデーは1973年9月6日、山口市に運ばれて亡くなった被爆者の遺骨が碑の近くで発掘されたことにちなんで設けられ、式典は75年以降、毎年開かれている。県立大(山口市桜畠)で被爆ピアノの演奏会もあった。(折口慎一郎)

(2015年9月7日朝刊掲載)

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