×

ニュース

被爆証言ビデオ のデジタル化本腰  ネットで動画配信も

■記者 森田裕美

 広島市立中央図書館(中区)は、小中学校が平和教育で撮影した被爆証言ビデオのデジタル化に本格的に取り組む。既に3人分の処理を終え、29日からDVDの貸し出しを開始。インターネットのホームページで動画配信もする。

 貸し出し、配信を始めるのは、2005年に92歳で亡くなった原爆詩人の栗原貞子さん、元原爆資料館長の高橋昭博さん(77)、県議だった新田篤実さん(77)の証言風景。12-54分で、いずれも小学校で被爆時の状況や被爆体験の意味を語っている。

 市立小中学校は被爆者を招いての平和学習に積極的に取り組み、市教委が「地域の被爆体験継承事業」を打ち出した1995年から数年は、教員がビデオカメラで撮影するケースが多かったという。

 記録の存在を知った図書館が「貴重なメッセージを活用できないか」と、市教委と連携して1月から保存状況を調査。各校が寄せたビデオテープ61巻が市教育センター(東区)に保管されていることが分かり、デジタル化を決めた。

 今後も市立小中学校204校の記録を調査し、被爆者本人や遺族の了解を得て、DVD貸し出しや動画配信を進める。中央図書館( http://www.library.city.hiroshima.jp/ )

(2008年8月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ