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がんセンター来月開業 広島市東区 高度治療の拠点に

 広島県が広島市東区二葉の里に建設している「広島がん高精度放射線治療センター」が、10月1日に開業する。がん細胞を破壊する放射線レーザーの精度が極めて高い最新機器を備え、放射線による高度治療の拠点となる。県医師会が運営し、広島市内の基幹4病院が医師や診療放射線技師の派遣で連携する。

 地上2階地下1階建てで、県医師会などが入る7階建ての地域医療総合支援センター(仮称)との合築。エックス線によるがん治療機器3台を備え、極めて精度の高い1台は中国地方で初導入となる。

 広島大病院(南区)県立広島病院(同)広島市民病院(中区)広島赤十字・原爆病院(同)の4病院が、センターに患者を紹介。肺がんや乳がんなどの患者が治療を受け、紹介元の病院で経過観察する。

 4病院のほか県内12カ所の病院からも患者を受け入れる予定。1日79人の治療を見込む。入院用の病床は設けず、通院治療する。

 センターは高度ながん医療を進める拠点として、県が2010年にまとめた県地域医療再生計画に盛り込んだ。合築施設の総工費は計44億4600万円で、医師会の負担分は23億3500万円。次世代のがん治療とされる陽子線治療の導入を求める声も経済界などにあったが、多くの人が恩恵を受けやすいエックス線の機器を導入した。

 初代センター長に、広島大大学院の永田靖教授(放射線腫瘍学)が就く。県は26日、現地で開所記念式典を開く。がん対策課は「がん患者へより高度で効果的な医療を提供するだけでなく、専門医や技師の育成、確保の場にしたい」としている。(有岡英俊)

(2015年9月9日朝刊掲載)

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