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戦争・平和どう伝える 広島 地方紙フォーラム開幕

 中国新聞社など全国の地方紙12社による「第12回地方紙フォーラムin広島」が10日、広島市中区の中国新聞ビルで始まった。戦後70年のことしは「戦争を伝える 平和を考える」をテーマに、初日は12社の記者が報道の現状を報告した。

 各記者は「満蒙(まんもう)開拓の歴史に見る中央と地方」(信濃毎日新聞)「地政学からみた戦争」(新潟日報)などの事例を報告し、京都新聞は印刷物の劣化や公文書の保存期限など戦争体験の継承を阻む問題に迫った連載について発表。中国新聞は報道部の水川恭輔記者(32)が遺品や史料とともに被爆者の証言を伝えた連載「伝えるヒロシマ」を紹介した。

 発表者は「資料が乏しい上、証言者の記憶もあいまいになり、事実確認が難しい」「若い世代に読んでもらうにはどうすればよいか」などの課題を挙げた。

 基調講演では近畿大文芸学部の大澤聡講師(37)=メディア史=が「戦争体験者の高齢化が進み、記憶を受け継ぐ期限が迫っている」と強調。「戦争の記憶を、戦争を知らない世代とつなぐ『回路』を地域の中で探ってほしい」と注文した。

 11日は、広島市が養成している「被爆体験伝承者」の講話を聞き、今後の紙面づくりについて意見交換する。(奥田美奈子)

(2015年9月11日朝刊掲載)

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