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訪朝健診11~15日 被爆者支援 広島県医師会6人

 広島県医師会は29日、北朝鮮に碓井静照会長たち医師6人を10月11~15日に派遣し、初めて被爆者の健康診断を実施することを正式に発表した。平壌と広島からの帰国者が多いという平壌郊外の沙里院の2都市を訪問し、健診を実施する。

 当初は10月4日からの訪朝予定だった。北朝鮮側から「朝鮮労働党の創立記念日と重なり困難」と延期要請があり、日程を再調整していた。

 北朝鮮の被爆者は2008年時点で382人で、うち約2割が亡くなっているとされる。国交がなく、日本政府の援護策の枠外に置かれている。県医師会は09年以降、訪朝健診を3回計画したが、北朝鮮の核実験実施などにより断念してきた。

 今回の計画も政府から自粛要請を受けた。中区の医師会館で記者会見した碓井会長は「国籍や民族を問わず医療支援を受けてほしい。政府同士だと難しい面もあるが、まずわれわれが人道支援をしたい」と決意を語った。

 医師団は被爆者団体と面会するほか、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部として北朝鮮支部の関係者と会い、来年8月に広島市で開く世界大会への出席を要請する。(金崎由美)

(2011年9月30日朝刊掲載)

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