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原爆資料館8月入館 最多22万人 被爆70年 外国人は2.3倍

 被爆70年のことし8月、原爆資料館(広島市中区)の入館者が22万4832人に上り、現時点で確認できる2000年度以降で最も多かったことが同館のまとめで分かった。うち外国人が5万4897人で前年の2・3倍に伸びたのが目立つ。ミュージアムショップの8月の売上高も前年比1割増。節目の年に国内外からヒロシマに向けられている関心の高さを裏付けた格好だ。(田中美千子)

 資料館によると、8月の全体の入館者数は前年(18万3809人)の1・2倍。うち外国人も前年(2万3503人)から3万1394人増え、10年度以降では突出している。4~8月の5カ月間で見ても、全体で72万2262人。外国人は18万2645人で、年間で過去最多だった前年(23万4360人)を上回る勢いだ。

 志賀賢治館長は「今夏は海外メディアの取材も相次ぎ、注目の高まりを感じる」と話す。山口市であったボーイスカウトの国際大会に参加した約2万5千人が7月末から6日間に分かれて来館したのも、増加に拍車を掛けたとみられる。

 これを受け、ミュージアムショップの売上高も急上昇。全館リニューアルのため売り場を移設、縮小した昨年9月からことし6月までは毎月、前年比で1~4割減と低調だったが、7月は780万円(前年比13・7%増)、8月は1421万円(同12・6%増)と反転。原爆の日は売り上げが1日に132万円を超え、在庫切れになる商品も出たという。

 同館の年間入館者数はここ5年間、120万~130万人台で推移。昨年度は東館閉鎖の影響で131万4091人と3年ぶりに減った。来春は東館の再オープンと同時に本館を工事のため閉鎖。4月には入館料値上げを予定する。志賀館長は「サービス提供の充実に努め、今の好調ぶりを維持したい」としている。

(2015年9月15日朝刊掲載)

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