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米軍訓練移転 「岩国」強化に警戒の声 沖縄の負担軽減には理解

 米海兵隊岩国基地(岩国市)所属の戦闘機が沖縄県の米軍嘉手納基地で予定していた訓練を10~31日まで米領グアムに移転させる防衛省発表のあった4日、地元岩国市では市が沖縄の負担減として冷静に受け止める一方、基地監視団体からは基地の機能強化を警戒する声が上がった。

 グアムへの訓練移転は嘉手納基地周辺の騒音の軽減が目的。福田良彦市長は「岩国には特に影響はないと思われる」としながら「沖縄の騒音軽減ということでは理解できる措置と考えている」と述べた。

 一方、基地監視団体リムピース共同代表の田村順玄岩国市議は「嘉手納からグアムへの訓練移転が成功すれば、そのノウハウを生かして他の基地でも同様の移転をするのでは」と警戒する。

 米軍は米海軍厚木基地(神奈川県綾瀬市など)から岩国基地への2014年までの空母艦載機移転を目指している。岩国市基地政策課は「空母艦載機移転には直接つながらない」と受け止めるが、田村市議は「艦載機移転を待たず、部隊活動として艦載機の訓練が行われる可能性がある」と指摘した。(酒井亨、大村隆、堀晋也)

(2011年10月5日朝刊掲載)

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