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アフガン代表 広島入り 女子サッカー 原爆資料館見学

 アフガニスタンのサッカー女子代表チームが、国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所の招きで来日し、16日、被爆地広島で研修を始めた。戦争で荒廃した母国の復興に役立てるためヒロシマの歴史や、リーダーシップについて学び、社会で活躍できる女性のモデル像を模索する。

 選手15人と監督やコーチら4人が参加。原爆資料館(広島市中区)で市街地のパノラマ模型や焼け焦げた三輪車などを見学、戦争の悲惨さと平和の尊さを確かめた。小倉桂子さん(78)=中区=の被爆証言も聞き、水をあげた被爆者が目の前で亡くなった「恐ろしい」記憶を一緒にたどった。

 アフガンは1970年代後半から紛争にあえいできた。復興に向かう今、人気のあるサッカーが国民の心をつなぐ。女子代表の国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは132位だが、男性優位の社会で差別と闘い、制約された環境でプレーすること自体、「希望の象徴」となっている。

 20日は、アンジュヴィオレ広島と親善試合をして21日に研修を終える。主将のフルーザン・アブドゥルマッフーズ選手(21)は「広島の復興を直接見て勇気づけられた。いいプレーで日本の皆さんに応援してもらいたい」と意気込んでいる。(山本祐司)

(2015年9月17日朝刊掲載)

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