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チェルノ事故 健康被害解説 広島で独医師講演

 旧ソ連ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故の健康被害に詳しいドイツ放射線防護協会のセバスチャン・フルークベイル会長が7日、広島市中区地域福祉センターで講演した。

 フルークベイル氏は「事故後、ウクライナで避難民にがんなど多様な病気が増えた」と統計データを用いて説明。放射性降下物が広がったドイツでも「先天性の心臓疾患などが増えた」と述べた。

 また、国際原子力機関(IAEA)などによる調査は被害を過小評価している、と批判。福島第1原発事故で日本政府が食品の放射線の規制を甘く見積もっているとして「政府の言うことをうのみにせず、市民の手で放射能から健康を守ってほしい」と訴えた。

 同協会は放射線に関する情報発信などに取り組む民間団体。講演会は市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」が主催し、約60人が参加した。

(2011年10月8日朝刊掲載)

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