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被爆瓦 学校に貸し出し 原爆資料館 初の教材セット

修学旅行前の学習用

 原爆資料館(広島市中区)は今月、被爆瓦や被爆証言を収めたDVDなどで構成する平和学習の授業教材セットの貸し出しを始めた。現物の被爆資料を授業向けに貸し出すのは初めて。主に広島への修学旅行の事前学習用として、全国の学校に利用をPRする。

 セットは、小学校用と中学・高校用の2種類。資料館が、広島市内の小中学校で出張講座をする際に使う教材を基に作成した。

 被爆瓦は1996年、中区の平和記念公園に面した元安川の親水護岸工事の際に掘り出された約4千枚のうちの一部。熱線で表面が溶け、原爆の威力を伝える。資料館が建設省(当時)から寄贈を受けた。

 DVDは約30分で、被爆者3人が体験を語る映像を収録する。授業用の映像ソフトには写真やイラストを多用し、原爆の被害の実態や核兵器が人類を脅かし続ける現実を、クイズを交えて教えることができる。教諭向けの台本も付いている。

 資料館は「事前にしっかり学んで、中身の濃い修学旅行にしてもらえれば」と期待する。資料館からの配達料は利用者が負担する。資料館啓発担当Tel082(242)7828。(金崎由美)

(2011年10月10日朝刊掲載)

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