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島根原発20キロ圏 24万人避難想定

14万人は県内収容困難

県 近隣県と協力協議

 島根県は11日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)での事故を想定した住民避難について、原発から20キロ圏内に住む県民約24万人のうち、14万人余りを近隣県に受け入れてもらう計画を明らかにした。広島県など他の中国地方4県に避難場所の提供を求め、協議を始めている。

 福島第1原発事故を受け、島根県は原発20キロ圏内の住民を、30キロ圏外に避難させる計画を策定している。県の調べでは、県内の20キロ圏には約23万8千人が暮らす。一方、30キロ圏外にある県内市町村の学校体育館や公民館などの施設では、約9万5千人しか収容できないことが判明した。

 このため、約14万3千人の避難先の確保が必要となった。溝口善兵衛知事はこの日の記者会見で、「(中国地方の)4県に避難への協力をお願いしなければならない」と述べ、近隣県に県民を受け入れてもらう考えを示した。

 今後、災害時に受け入れ可能な施設の情報提供を4県から受け、原発20キロ圏内の県民の避難先を指定。来年3月までに当面の避難計画をまとめる。

 また、20キロ圏内には、福祉施設の入所者や病院の入院患者、在宅の被介護者たち要援護者が約2万人居住している。県は4県に対し、福祉施設や病院などの受け入れ施設についても協力を求める。

 広島県は、既に県と県内23市町が指定する避難所のリストを島根県に提供しており、「県内でも避難住民の受け入れができるよう、協力したい」(危機管理課)としている。 (樋口浩二)

(2011年10月12日朝刊掲載)

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