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再稼働は来年度以降 島根2号機 排気設備の完成遅れ

 中国電力は18日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)2号機の再稼働に必要なフィルター付き排気(ベント)設備の完成時期が、本年度下期にずれ込むことを明らかにした。確認や検査にも時間がかかることから、2号機再稼働は来年度以降の見通しとなった。

 放射性ヨウ素を薬液で取り除くフィルターなどの主要設備は4月に完成。だが、原子力規制委員会から、薬液が漏れた際の回収ルートの設置や、緊急時に確実に排気できるよう弁の多重化を求められた。

 中電は追加措置を検討しているが、今月末までの完成は難しい状況。中電島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は「追加工事が完成しない限り、再稼働は難しい」としている。

 ベント設備は原発事故時に、原子炉格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を薄めて排出する。2号機再稼働にも適合が求められる新規制基準で設置が義務付けられた。

 中電はこのほか、火災対策の強化など2号機の安全対策11項目で、本年度上期内としていた完了時期を本年度内に変更した。(秋吉正哉)

非常用発電機の耐震性アップ 島根原発で更新へ

 中国電力は18日、島根原子力発電所の事故に備えて敷地内の標高44メートルの高台に設置した非常用ガスタービン発電機を、より耐震性の高い機器に更新すると発表した。

 新しい発電機は出力6千キロワット。全電源喪失時に1~3号機へ電力を供給する現在の発電機2台(計2万4千キロワット)を撤去した上で、新たに建設する鉄筋3階建ての施設(縦横42メートル、高さ15メートル)内に、2号機用として2台を収容する。

 同原発で進む安全対策の一環。2016年1月に着工し、16年度内の完成を目指す。3号機用の発電機も設置に向け検討している。中電島根原子力本部は「非常時に必要な電源は発電機車などで確保しており、更新の間も問題はない」としている。

(2015年9月19日朝刊掲載)

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