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戦時を映す暗いタッチ 呉市下蒲刈 靉光ら作品展開幕

 広島県北広島町出身の洋画家靉光(あいみつ)(1907~46年)や同時代の画家の作品を集めた特別展「靉光とゆかりの画家たち」が19日、呉市下蒲刈町の蘭島閣美術館で始まった。11月16日まで。

 画家を志し上京した靉光は、現代絵画のさまざまなスタイルを模索しながら、次第にシュールレアリスムへと移っていった。活躍のさなか、44年中国戦線に従軍し、終戦後、病気のため戦地で亡くなった。

 会場には靉光の油絵を中心に計50点を展示。戦時に描いた暗いタッチの「静物(魚の頭)」やろう画の技法を使った「キリスト(赤)」のほか、上京して交流を持った画家の作品が並ぶ。呉市の船田孝興さん(74)は「暗めの絵が多く、作品から時代背景が感じ取れる」と話していた。

 蘭島文化振興財団と呉市、中国新聞社の主催。火曜日休館だが、22日、11月3日は開館し、同月4日は休館。(小笠原芳)

(2015年9月20日朝刊掲載)

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