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核不拡散の道筋議論 国連軍縮さいたま会議が開幕

■記者 金崎由美

 国連軍縮さいたま会議(国連軍縮部など主催)が27日、さいたま市内のホテルで始まった。12カ国から政府の軍縮担当者や研究者ら約90人が参加。「核軍縮、核不拡散と原子力エネルギーの平和的利用・傾向と課題」をテーマに29日まで議論する。

 この日は、2010年にある核拡散防止条約(NPT)再検討会議で核軍縮の実質的な合意をどう達成し、原子力利用と表裏一体でもある核拡散を防ぐかを中心に議論。北朝鮮・イランの核問題や、05年にあった再検討会議の反省を踏まえて、意見交換した。

 スイスのユルグ・ストレリ軍縮大使は、北朝鮮の核開発問題などを念頭に「各国をNPT体制にとどまらせるには、脱退すれば核物質などを返還させるという決まりをつくるのも一案」と指摘した。

 再検討会議への期待として、平和市長会議北米コーディネーターのジャクリーン・カバッソ氏は、20年までに核兵器を廃絶する道筋として市長会議が発表した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択を提案した。

 NPT非加盟のインドと米国が発効を目指している「米印原子力協定」を懸念する意見もあった。大阪女学院大の黒沢満教授は「軍縮義務を課さず、核保有国と同等の権利を認めることはNPT体制を根底から破壊する」と痛烈に批判した。

 会議は、日本で毎年開かれており、今年で20回目。

(2008年8月28日朝刊掲載)

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