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連載・特集

大虫だより 楠田泰久 ヒマワリの輪 福島応援 種まき続ける

 大虫集落は、稲穂が黄金色に染まり、夜にはコオロギやキリギリスの声も聞こえます。自宅の畑には大根や白菜などの冬野菜の種をまき始めました。夏に元気な花を咲かせたヒマワリは刈り取り、種を取り出しています。

 福島市のNPO法人シャロームが取り組む「ひまわりプロジェクト」に昨年から参加しています。私たち賛同者は、ヒマワリの種をシャロームから送ってもらって植え、花を楽しんだ後、できた種を送り返します。シャロームは地元の業者や障害者施設と、全国から集まった種をヒマワリ油に加工して販売。収益は福島の子どもたちや障害者の支援に充てられます。

 私たちが栃木県真岡(もおか)市から移住してきたのは、約130キロ離れた福島第1原発の事故がきっかけでした。避難してきた者として、支援に少しでも役立とうと、昨年に続いて、わが家の畑や近くの休耕田でヒマワリを育てました。

 ことしは知人にも声を掛け、プロジェクトの趣旨を理解してもらった上で、廿日市市内の病院や学校でも植えていただきました。それぞれの花壇で、花が力強く咲いたと聞き、感謝しています。たくさんの種を送ることができそうです。

 来年以降も支援の輪を徐々に広げ、春の桜だけでなく、夏のヒマワリも集落の名物に育てたいと思います。(主夫兼書家=廿日市市)=月1回掲載します

(2015年9月23日朝刊掲載)

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