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13年夏 初の合同美術展 「平和」などテーマ 

広島市内3館 音楽の祭典と連携目指す

 広島市内にある広島県立美術館(中区)、広島市現代美術館(南区)、ひろしま美術館(中区)が連携し、2013年夏に「平和」などをテーマにした合同の美術展を開催することになった。文化庁が本年度創設したミュージアム活性化支援事業に3館連携事業が採択された。事業は3カ年。本年度は文化庁の補助金を受け、実施に向けた調査を国内外で進める。

 3館による合同展は初の試み。広島に関連する芸術家や作品の展示、平和や復興といったテーマが候補に挙がっている。13年夏に開催予定の「ひろしま平和発信コンサート」とも開催期間を合わせ、音楽と美術の総合的な祭典を目指す。

 採択されたのは、3館が立案した広島県美術館活性化対策事業。近年低迷する入館者数を増やし、地域の文化・観光の振興を図る。合同展がメーンイベントとなる。9月下旬に、事業全体に対する本年度分の補助金約2600万円が確定した。

 事業を進めるため、3館と県観光連盟、NPO法人セトラひろしまなど計7団体で既に実行委員会を結成した。合同展のほか、美術館巡りを柱とする観光ルートの開発や、地元の小中学生らを対象にした鑑賞ツアーの開催などにも取り組む。

 3館は運営母体が県、市、公益財団法人と異なるが、00年から入館者の増加対策で連携を強めていた。今年は7月上旬から、各館で「広島」を共通テーマにしたコレクション展を順次、開催している。

 実行委員会事務局を担当する広島県立美術館の越智裕二郎館長は「3館の特色を生かした合同展にしたい。美術館の中だけでなく、さまざまな場所で作品やパフォーマンスが見られるような、地域ぐるみのアートイベントになれば」と意気込んでいる。(西村文)

(2011年10月16日朝刊掲載)

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