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核廃絶 被爆地の役割は ひろしま構想シンポ

 広島県が策定中の「国際平和拠点ひろしま構想」の意義や実現への課題を議論するシンポジウムが18日、広島市中区であった。明石康元国連事務次長たち策定に携わる8人が、核兵器廃絶や平和構築に向けた被爆地広島の役割について意見を交わした。

 策定委員会が17日にまとめた構想案は、核軍縮プロセスへの広島の積極的な関与と平和構築への貢献が柱になっている。

 パネル討論で、策定委座長の明石氏は「国際政治における核軍縮の方法論を広島から生み出したい」と強調。川口順子元外相は「構想実現には国際世論の力が必要だ。長崎を含め、国内外と連携しよう」と訴えた。

 阿部信泰元国連事務次長は「核兵器廃絶や軍縮を進めるには、日本自身が『核の傘』をどう判断するかにかかっている」と指摘。米スタンフォード大のスコット・セーガン教授(安全保障)は、国際社会の新たな課題となっている核テロ対策についても強化を求めた。

 シンポは県主催。約220人が参加した。構想は策定委が10月中に細部を詰めて完成させる。湯崎英彦知事は11月上旬、米国で国連の潘基文(バンキムン)事務総長たちと面会し、構想実現へ協力を求める。(加納亜弥)

(2011年10月19日朝刊掲載)

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