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「黒い雨」で個別相談 広島市 自宅へ保健師派遣

 広島市は、原爆投下後に降った「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康不安を持つ市民向けに、自宅へ保健師を派遣する個別相談事業を始める。市の福祉センターなどで開いている巡回相談会に出向くのが難しい人たちの利便性を高め、利用を促す。

 市内在住者が対象。市原爆被害対策部援護課の保健師が、平日の午前10時~午後4時に希望者の自宅を訪れて健康相談に乗る。事前予約が必要。

 「黒い雨」をめぐる相談事業は、厚生労働省が2013年度から県と市に委託してスタート。ただ相談会を13回開いた14年度の相談者は138人で、13年度の261人から半減した。

 このため市はことし4月から、各地域の集会所などに複数人が集まれる場合、保健師を派遣するようにしたものの、9月末まで利用はゼロ。厚労省から要請を受け、今月から自宅訪問にも応じることを決めた。

 市援護課は「相談会を始めた当初から家に来てほしいという声はあった。活用してほしい」としている。同課Tel082(504)2613。(水川恭輔)

(2015年10月2日朝刊掲載)

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