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中国残留婦人を慰霊 「交流の会」が山口で集い

 終戦前後の混乱で中国東北部に取り残され、現地で亡くなるなどした日本人女性たちを慰霊する集いが1日、山口市香山町の瑠璃光寺であった。同市を拠点に、女性の帰国などを支援してきた「中国残留婦人交流の会」の主催。

 磯野恭子会長(80)=岩国市山手町=は「1988年の会設立当初は祖国に帰りたくても、身元証明ができず引受人がいない女性が多くいた。戦争がいかに女性たちの人生を狂わせたか、思いをはせたい」とあいさつ。永住帰国者の親族たち約50人が焼香した。

 会は援護策充実などを国に求める一方、全国でシンポジウムを開き、「中国残留婦人」と呼ばれた女性の存在を訴え続けてきた。集いは瑠璃光寺の敷地内に1992年10月に慰霊碑を建立したのを機に始め、今回で24回目となる。

 99年に母、中国人の養父とともに永住帰国した谷口長江さん(72)=山口市宮野下=は「実父は戦死。母は生きるか死ぬかの瀬戸際で養父に助けられた。戦争は二度とあってはならない」と話した。(柳岡美緒)

(2015年10月2日朝刊掲載)

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