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抑留体験 反戦の教え 51年ぶりの授業 駅家中卒業生

 福山市の駅家中の卒業生で66、67歳の20人が20日、芦田町の芦田ふれあいプラザで、3年生当時に担任教諭だった星野豊さん(88)からシベリア抑留の体験を聞いた。

 星野さんは旧日本陸軍鉄道連隊の見習い士官だった。旧満州(中国東北部)で終戦を迎え、1948年6月まで東シベリアに抑留された。

 この日、星野さんは「握った手が冷たくなって仲間の死を知った」と証言。極寒とノミの発生で眠れなかったことにも触れ、「生き抜くことが日々の課題だった」と語った。

 元生徒は1960年に駅家中を卒業した。ことし4月の同窓会で抑留体験を子どもたちに話す恩師の活動を知った。当時は聞けなかった体験を受け継ぐため、有志が51年ぶりの授業を依頼した。

 同市駅家町の三上進さん(66)は「戦争はいけないという言葉が強く印象に残った」と話していた。(山成耕太)

(2011年10月21日朝刊掲載)

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