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生き抜いた学友「今年も会えた」 広島市女の元女学生ら同期会

 今年もまた会えたね―。1943年に入学し、3年生の時に被爆した広島市立第一高等女学校(市女、現舟入高)の同期生の集いが2日、中区のホテルで開かれた。85歳になる元女学生たちは互いの健在を喜びつつ、戦争のない平和な世界の大切さをかみしめた。

 東京都や熊本県など全国から44人が参加。昨年より14人少なかったものの、乾杯して開催を祝った。魚や肉料理に舌鼓を打ちながら約2時間、近況報告や昔話に花を咲かせた。

 70年前の「あの日」、学徒動員先が電力不足による休業日だった3年生約300人は、自宅などで過ごしていた。それでも50人が原爆で亡くなった。生き抜いた女学生は、同級生や、建物疎開の作業中に命を落とした1、2年生約540人の分も必死に生きようと、戦後を駆け抜けた。

 同期会の名は「三ツ葉会」。学制改革に伴い、47~49年に卒業したことにちなむ。3年間に分けて巣立っても絆を深めようと、85年から会合や旅行を続け、旧交を温めてきた。

 笑顔の絶えなかった集いに、川崎市から30年ぶりに参加した佐伯敏子さん(85)は「苦楽を共にした仲間。みんな元気で驚いた」。世話人の稲生小菊さん(85)=安芸区=は「平和のありがたさをしみじみ感じる。みんな喜んでくれたので、来年も開きたい」と話していた。(山本祐司)

(2015年10月5日朝刊掲載)

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