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被爆体験聞き取り発表 30日文化祭 段原中生「後世に伝えたい」 広島市南区

 広島市南区の段原中図書部の生徒が、被爆者の体験談を30日の文化祭で発表する。7日に西区の被爆者加藤義典さん(87)を招き、被爆時に校舎の下敷きになった児童を救出した体験などを10人が聞いた。

 加藤さんは広島工業専門学校(現広島大工学部)1年の時、学徒動員中に大州(現南区)の工場で被爆。帰宅途中、段原国民学校(現段原小)で児童の救出に当たった。自らも顎にガラスの破片が刺さるけがを負った。

 助けられなかった児童の表情や防火用水に飛び込む被爆者を描いた絵などを見せながら「戦争ほど人を不幸にするものはない」と伝えた。

 2年尾崎彩音さん(14)は「体験を自分たちが後世に伝えていきたい」と話した。

 同部は4年前から地域の歴史や人物を調べる活動に取り組んでいる。被爆70年のことしは被爆体験を受け継ごうと、講師に招いたことがある地元公民館などに加藤さんを紹介してもらった。(中間卓也)

(2015年10月8日朝刊掲載)

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