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「黒い雨」申請 全員却下 広島市・県 2人は入市被爆認定

 原爆投下後に降った「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い健康被害を受けたとして、広島市と広島県に被爆者健康手帳の交付を申請した71人が、8日までに全員却下されたことが分かった。却下された住民たちは11月上旬、処分取り消しを求めて集団提訴する。

 市と県は71人のうち50人を9月2日付で却下。県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会などによると、県が今月2日付で安芸太田町の1人を、市が8日付で市内の20人の申請を却下した。ただ、うち市内の2人は入市被爆の事実を確認できたため、手帳が交付されるという。

 協議会が主導した手帳申請は、当初から却下を見込んでいた。処分取り消しを求める集団訴訟で国に援護対象区域の拡大を迫るのが狙い。全員の結果判明から約1カ月後を目標に、提訴することを申し合わせている。

 協議会は「却下された住民に体調面で訴訟への参加が難しい人がいないかどうかなどを確認し、原告団の結成を急ぐ」としている。(水川恭輔)

(2015年10月9日朝刊掲載)

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