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伊方再稼働反対の請願不採択 愛媛県議会 広島・山口の住民提出の28件

 広島、山口両県の住民が提出していた伊方原発3号機の再稼働に反対する請願28件は9日、愛媛県議会で不採択となった。放射性物質による瀬戸内海の汚染や避難者の受け入れ態勢の不備を懸念し、再稼働しないよう求めていた。

 県議会に提出された再稼働反対の請願56件のうち、両県の請願が半数を占めていた。内訳は広島8件、山口20件。原発事故が起きれば、瀬戸内海は放射性物質で汚染されて壊滅的な被害を受けるなどとして、再稼働に反対する内容が多い。

 広島市佐伯区の木原省治さん(66)は、広島県で避難者の受け入れ態勢が整っていないとして再稼働しないよう求める請願を提出していた。木原さんは「愛媛県議会で広島県への避難計画をもっと議論してほしかった」と残念がった。

 愛媛県は6月、広域避難計画を修正。従来の愛媛、大分、山口県内に加え、広島県も避難先に加える方向で協議する方針を盛り込んだ。だが広島県はまだ受け入れ方法を決めていない。

 本会議ではこの日、山口県上関町など原発から30キロ圏内の自治体の同意を再稼働の条件にする決議案も議員提案されたが、賛成少数で否決された。(河野揚)

山口知事「判断を尊重」 愛媛県議会の伊方再稼働同意

 伊方原発の再稼働に愛媛県議会が同意した9日、山口県内の離島の一部が半径30キロ圏に入る村岡嗣政知事は「立地県である愛媛県の判断を尊重したい」と述べた。県庁での取材に答えた。

 村岡知事は、愛媛県の中村時広知事の判断を待つ姿勢を示した上で、「愛媛県の判断を尊重するのが適当だと思う」と述べた。村岡知事は5月の記者会見で、再稼働の際の事前同意は求めない考えを示している。

 山口県内では、避難計画の策定を求められる半径30キロ圏内に、上関町の八島が含まれる。村岡知事は「避難計画と防災対策には万全を期しており、これにしっかり取り組んでいく」と説明した。

(2015年10月10日朝刊掲載)

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