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日本被団協、核廃絶実現へ気引き締め ノーベル平和賞逃し

 被爆70年の節目にノーベル平和賞の受賞を期待された日本被団協や被爆者は9日、核兵器廃絶の実現へ気を引き締め直した。

 「残念がるとか、情けないとかはない。今までと同じように活動する」。日本被団協代表委員の一人で、広島県被団協の坪井直理事長(90)は広島市中区の事務所で記者会見し、淡々とした表情で話した。例年以上に報道陣も詰めかけた中、「私たちは核兵器がなくなるまで喜ぶことはできない。その日まで、あきらめない」と強調した。

 東京都港区にある日本被団協の事務所では、田中熙巳(てるみ)事務局長(83)たち4人が朗報を待った。田中事務局長は「核兵器の恐ろしさや被爆者の存在をさらに広く知ってもらう機会になればと思ったが、残念だ」と悔しさをにじませた。

 ノーベル平和賞をめぐっては、1985年の核戦争防止国際医師会議(IPPNW)など、10年置きに核に関する団体・個人が受賞。ことしは、反核平和団体の国際平和ビューロー(IPB、本部スイス・ジュネーブ)が「被爆70年を核兵器なき世界に向けた節目にすべきだ」として、日本被団協と、同代表委員の谷口稜曄(すみてる)さん(86)=長崎市、広島市南区出身のサーロー節子さん(83)=カナダ・トロント市=の被爆者2人を推薦していた。(水川恭輔、藤村潤平)

(2015年10月10日朝刊掲載)

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