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復興・平和 歌声に願い 緑井の合唱団 35周年演奏会 広島市中区

 広島土砂災害の被災地、広島市安佐南区緑井地区で活動する合唱団「コーラスりんどう」が11日、中区の県民文化センターで設立35周年の記念演奏会を開いた。メンバーには被災者や被爆者も。復興や平和への願いを歌声に託し、約600人の聴衆に届けた。

 50~80歳代の27人が出演。災害からの復興や平和への願いを込めて「故郷」「アオギリのうた」など約20曲を合唱し、情感豊かに歌声を響かせた。

 合唱団は1980年に地元の7人で結成し佐東公民館を拠点に活動。指揮者の中川聰子さん(77)の指導で練習を続け、団員は現在、29人に膨らんだ。

 昨年8月の土砂災害では複数のメンバーが被災したものの、練習は継続。長谷川由貴江さん(83)は「沈んだ気持ちがコーラスの練習で癒やされ、救われた」と振り返る。

 節目の年は戦後70年と重なった。被爆者の佐伯伊津子さん(85)は「平和だから歌える。平和が続いてほしいとの思いで歌った」と話した。(胡子洋)

(2015年10月12日朝刊掲載)

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