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平和記念碑 岩国駅前へ 19年ごろ 麻里布の公園から市移設方針 悲惨な大空襲 中心地へ再び

 岩国市は、麻里布町第三街区公園にある岩国大空襲の犠牲者を悼む「平和記念碑」を、2019年ごろ、JR岩国駅前に移設する方針でいる。岩国駅周辺整備事業に伴って実施。1945年8月14日、米軍による空襲は同駅周辺に大きな被害をもたらした。碑は93年まで駅前にあったため、空襲の「中心地」に戻ることになる。(増田咲子)

 碑は市が59年、駅前のロータリーに建立。その後、浮上した国のロータリー撤去の方針を受け、93年に移転していた。

 市拠点整備推進課は「市民の声も踏まえ、空襲の中心地である駅近くに戻すのが適切と判断した」という。また、駅前の地下通路の入り口付近にある「和」と刻まれた大空襲の石碑も整備計画の敷地内にあるため、移動を予定している。

 同課によると、設置場所は、新しい西口駅前広場内を検討しているという。具体的な位置については、2016年度に予定する実施設計の中で検討する。

 同街区公園での慰霊祭を主催している麻里布地区自治会連合会の森口勝征会長(72)は「もともとあった駅前に戻るのを歓迎している。多くの人に戦争や空襲の悲惨さを知ってもらえる」と話している。

(2015年10月14日朝刊掲載)

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