×

ニュース

弾よけ神社 奉納写真展示 山口 家族や親族へ複写返還も

 戦時中、戦地での無事を祈願して現在の山口市の兵士や家族が「弾よけ神社」として知られた同市徳地岸見の三坂神社に奉納した写真(複写)の展示が14日、同市天花の市菜香亭で始まった。16日まで。

 全日本年金者組合山口支部などでつくる実行委員会の主催。写真は軍服やスーツ姿の男性で、同市大内、秋穂両地区の232人分を展示する。来場した家族、親族からの申し出があれば神社の連絡先とともに複写を渡す。

 同市大内矢田北の高木義博さん(63)は母恵美子さん(87)と訪れ、2004年に亡くなった父諫美(いさみ)さんの写真を見つけた。「父が中国東北部に行く前に祖父が預けたのでは」と話した。

 三坂神社の佐伯治典宮司(86)によると、写真は日中戦争開戦後、各地から持ち込まれた。家族などへの返還を続けているが、まだ約1万枚が残る。実行委共同代表の谷本育紀さん(74)=同市桜畠=は「本人と家族が高齢化し、返還先が分からなくなりつつある。戦後70年の節目に始め、約3年かけ市内の他地区分も展示したい」と話す。(柳岡美緒)

(2015年10月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ