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被爆70年 平和実現誓う 松江で慰霊式 遺族ら200人参列

 島根県内の原爆死没者を悼む慰霊式が15日、松江市学園南1丁目の北公園原爆慰霊碑前であった。被爆70年の節目に、県内各地から集まった被爆者や遺族、地元の小学生ら約200人が平和への思いを新たにした。

 式典には、溝口善兵衛知事と松江市の松浦正敬市長が初めて出席した。昨秋以降に亡くなり、遺族が希望した被爆者5人の名簿を、県原爆被爆者協議会の原美男会長(88)がきり箱に納めた後、全員で黙とうした。

 被爆者を代表し、雲南市大東町の糸原勇雄さん(87)が、今春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で最終文書が採択できなかったことに触れ「核兵器廃絶の道は険しいが、諦めず世界平和の実現に向けて懸命に生きる」と誓った。

 原爆で父を亡くし、疎開先だった現在の廿日市市から広島市中区橋本町の自宅に戻る際、入市被爆した浜田市旭町の主婦早瀬浩子さん(75)は「母も病気で亡くしていたので孤児になり苦労した。戦争は二度としてほしくない」と話した。

 3月31日現在、県内の被爆者は1225人で、平均年齢は85・33歳。(西村萌)

(2015年10月16日朝刊掲載)

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