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40ヵ国190人が参加 長崎で来月「パグウォッシュ会議」

 長崎市で11月1~5日にある、核兵器廃絶を目指す科学者の国際組織「パグウォッシュ会議」の第61回世界大会の組織委員会は16日、参加者と討議日程を発表した。核兵器を持つ米国、ロシアを含む40カ国の科学者や軍縮担当者ら約190人が核兵器の非人道性や核軍縮の具体策について意見を交わす。日本開催は広島市であった2005年以来10年ぶり。

 初日は開会行事に続き、長崎大で三つの全体討議を開催。うち「核兵器廃絶への道筋」では、米国のアニタ・フリード国務省軍縮局首席国務次官補代理と、ロシアのミハイル・ウリヤーノフ外務省軍縮・軍備管理課長が公開討論する。

 2日は「南アジアの核リスク」、3日は「原子力の平和利用のリスク」などを討議。4日はイランの核問題をめぐる欧米など6カ国との最終合意を取り上げ、同国のアリ・アクバル・サレヒ副大統領兼原子力庁長官らが登壇する。5日に核兵器のない世界に向けた「長崎宣言」を発表。締めくくる。

 長崎大核兵器廃絶研究センター長で、組織委の鈴木達治郎委員長たち3人がこの日、東京都内で記者会見。被爆者の証言活動などに敬意を表そうと、パグウォッシュ会議が95年に受けたノーベル平和賞のメダルのレプリカを開会行事で広島、長崎両市に寄託する考えも明らかにした。

 鈴木委員長は「科学者らの活発な議論とともに、被爆地の市民の声を踏まえたメッセージを『長崎宣言』にまとめたい」と話した。(水川恭輔)

(2015年10月17日朝刊掲載)

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