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風力発電 事業化を明言 上関町長 売電収入など試算へ 山口

 山口県上関町の柏原重海町長は16日、町議会全員協議会で、同町長島の上盛山(314メートル)での風力発電機建設構想を「進めていきたい」と述べ、事業推進を明言した。これまでは町議全員の賛同を得られていないことから事業着手を「保留」としていた。12月開会予定の町議会定例会にも、関連経費を盛り込んだ2015年度一般会計補正予算案を提出する。

 町は今後、発電量や売電収入などを詳細に試算し、測量や地質調査の経費を予算化する。完成の目標時期は決まっていない。

 構想では、出力2千キロワット級の風力発電機2基を上盛山西側の尾根に設置する。町は、1基当たりの売電収入を年間1億円と見込む。建設費や維持費を差し引いても、20年間で総額15億円の収益が出る。

 上関原発建設計画の凍結状態が長期化する中、町は独自財源の確保や観光振興を目的に風力発電事業を検討。柏原町長は3月に構想を発表した際、町議全10人の賛同を事業化の条件に設定していた。

 この日、柏原町長は非公開の全協であらためて説明。反対の1人から理解は得られなかったが、「高齢化で税収も減った。スピード感が必要」と強調し、着手に踏み切る意向を表明したという。

 終了後に記者会見した柏原町長は「増収のための事業。住民にも丁寧に説明していきたい」と語った。(井上龍太郎)

(2015年10月17日朝刊掲載)

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