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漁師飯「つみれ汁」 福島PR 被災した菊地さん イベントで販売

 東日本大震災で被災した福島県相馬市の漁業菊地基文さん(39)が18日、広島市中区の中央公園であったイベントで、北海道と東北地方で捕れるタラ科の魚「どんこ」のつみれ汁を販売した。復興途上にある福島の食文化を知ってもらい、活性化につながればと声を張り上げた。

 「地元の漁師飯、食べていって」。つみれ汁約300食を用意。仲間2人と笑顔で参加者に声を掛けた。初めて食べたという西区の団体職員山本剛志さん(31)は「肉厚であっさり。おいしい」。

 菊地さんは震災で自宅と漁船が被害を受けた。福島第1原発事故の影響で、漁は試験操業が続くなど、暮らしと産業の復興は道半ばだ。漁の合間に各地のイベントに出向き、自慢のつみれ汁を売っている。広島では、国際交流イベント「ぺあせろべ」に参加した。

 菊地さんは「前を向き、地元の食文化や魅力を全国に発信し続けたい」と話した。(浜村満大)

(2015年10月19日朝刊掲載)

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