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北米被爆者 行政など支援を 広島県派遣の医師団が帰国報告

 北米で暮らす被爆者健診のため広島県が派遣した医師団が19日、広島医師会館(広島市西区)で帰国報告会見をした。高齢化する被爆者自ら健診案内などの世話役を務めている現状に触れ、行政や支援団体による支えが必要だと訴えた。

 医師団は9月10~29日、2班に分かれ、サンフランシスコやロサンゼルスなど4都市を巡回。事前に現地の医療機関で受けた検査結果を基に、287人(うち2世78人)が受診した。2年前の前回よりも、44人少なかった。

 総団長を務めた県医師会の豊田秀三副会長は「現地在住でも英語での医師との会話は難しい。高齢化が進み、以前にも増して健診が待ち望まれている」と、継続的な訪問の意義を強調。「世話役の被爆者も高齢化している。健診を続けるには県人会などの組織的な支えや領事館などの協力が欠かせない」とも指摘した。

 北米への医師団訪問は1977年から原則隔年で実施しており、ことしで20回目。県医師会によると、これまでに延べ7387人が受診した。(明知隼二)

(2015年10月20日朝刊掲載)

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