×

ニュース

広島2トップ いざ平和外交 米に湯崎知事 欧州に松井市長

「核なき世界」県市連携

 広島県の湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長は4日、近く出発する海外出張の訪問先で、互いの平和推進の取り組みをアピールすると発表した。湯崎知事は米国で2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の広島市誘致、松井市長は欧州で県の「国際平和拠点ひろしま構想」への協力を働き掛ける。実質的な「平和外交」デビューが同時期になったのに合わせ、県市のトップが連携する。(加納亜弥、田中美千子)

 湯崎知事は5~13日の日程で訪米。国連の潘基文(バンキムン)事務総長や米政府機関の関係者、核兵器廃絶や核拡散防止に取り組む民間団体などに構想への理解と実現への協力を要請する。

 松井市長は7~13日、欧州を訪問。スペインで会長を務める平和市長会議理事会に出席し、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で始まる常設原爆展の開会式などに参加する。

 2人が核兵器廃絶や平和貢献など平和行政の推進を目的に海外出張するのは就任後、初めて。時期が重なったことから10月28日に会談し、「核兵器のない平和な国際社会を実現するためには県市の連携強化が不可欠」との認識で一致。互いの取り組みをそれぞれの訪問先で紹介することで合意した。

 湯崎知事は、潘事務総長にNPT再検討会議の広島誘致への協力を要請し、平和市長会議の活動も伝える。松井市長は平和市長会議理事会で県の構想をPRする。13年の平和市長会議の総会で構想を発信したいとする知事の意向も伝える。

(2011年11月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ