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父JFKの鐘 米大使が対面 東広島の教会 62年に贈る

 キャロライン・ケネディ駐日米大使が24日、東広島市西条町の日本福音ルーテル西条教会を訪れ、亡き父ジョン・F・ケネディ元米大統領が1962年に贈った鐘と対面した。半世紀以上前に父が紡いだ日本との絆の証し。両国の橋渡し役となった今、万感の思いを込めて鐘を鳴らした。

 教会2階にある真ちゅう製の鐘は、高さ約50センチ、直径約40センチ。「USN(米海軍)」という刻印がある。併設の西条ルーテル幼稚園の園児たちが礼拝の前に鳴らしている。

 大使は、年長組の65人の歌の歓迎を受けた後、園児2人と一緒に鐘を3回鳴らした。「カーン」という澄んだ音が響くと「いい音色」と感激した様子だった。

 教会によると、かつて赴任していた宣教師を通じ、西条教会に鐘がないと知った米国の少年が61年、ホワイトハウスに手紙を送った。「兄弟愛の証しとして贈りたい」との文面に心を動かされた大統領は、海軍の退役駆逐艦の鐘を62年に日本に届けさせたという。

 さらなる友好の証しとして大使は、当時ホワイトハウスに届いた少年の手紙と特別補佐官が少年に宛てた返書の計2通を園児に手渡した。「就任以来、早く訪れたいと思っていた。鐘が50年以上使われていることに感謝している」と話した。(森岡恭子)

(2015年10月25日朝刊掲載)

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