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米学校に原爆図書 核廃絶 故山岡さんの願い継承 友人たち30冊寄贈へ

 広島の被爆者山岡ミチコさん(2013年に82歳で死去)と交流のあった米ワシントンの私立校シドウェルフレンズ学園に、友人たちのグループが30日、原爆関連の図書約30冊を贈る。11月にも「山岡ミチコライブラリー(仮称)」として公開される。オバマ大統領の娘も通っており、「山岡さんの核兵器廃絶の願いを継承してほしい」と願う。

 図書は山岡さんの被爆体験が載る「原爆写真ノーモアヒロシマ・ナガサキ」や「はだしのゲン」の英語版で、高等部の図書室の一角に置かれる。

 被爆してやけどを負った山岡さんは1955年から渡米治療に参加。米国のクエーカー教徒の支援を受けた縁もあって86年から22年間、教徒が創設した同学園から広島市に平和学習に訪れた計88人に体験を語り、95年には学園で証言した。山岡さんと親交があった須田浩之さん(55)=東京都荒川区=ら8人でつくる「山岡ミチコさんを偲(しの)ぶ会」が5月に学園側に持ちかけ、快諾されたという。購入したり市民団体から提供を受けたりして本をそろえた。

 26日、広島市役所で記者会見した須田さんによると、学園高等部にオバマ大統領の長女が、中等部に次女が在学。次期大統領を目指すヒラリー・クリントン前国務長官の長女も高等部在学時に山岡さんの証言を聴いたという。「大統領の娘たちもぜひ本を手に取ってほしい。今後、中等部などにも贈りたい」と話した。(水川恭輔)

(2015年10月27日朝刊掲載)

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