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平和拠点構想 国連が支援 湯崎知事と総長会談 NY

 訪米中の広島県の湯崎英彦知事は9日(日本時間10日)、ニューヨークの国連本部で潘基文(バンキムン)事務総長と会談し、被爆地広島が核兵器廃絶や平和構築に果たすべき役割を示す「国際平和拠点ひろしま構想」への協力と理解を求めた。潘氏は国連の人材やネットワークを生かし支援したいと応じた。

 会談は非公開で約30分間。終了後に会見した湯崎知事によると、潘氏は「軍縮の問題や核兵器削減、廃絶を進めることを個人として決意している。構想は非常に有意義で国連としても協力したい」と評価したという。潘氏は核兵器禁止条約の検討開始を国際社会に提案し、昨年は広島、長崎両市を訪問した。

 湯崎知事は「国連のサポートがあれば広島を平和の拠点とする活動を進めやすい。世界も耳を傾けてくれる」と期待を示した。

 また湯崎知事は、広島市が目指す2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議誘致への支援を求めた。

 構想は核兵器廃絶や世界の紛争解決を目指し、広島を舞台に多国間の軍縮交渉に向けた国際会議の開催や平和構築に向けた人材育成、研究成果の集積などを掲げる。

 会談に先立ち、湯崎知事は米中枢同時テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」を訪れ、花輪をささげた。(ニューヨーク=加納亜弥)

(2011年11月11日朝刊掲載)

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