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聖火ランナー 坂井さん顕彰 64年東京五輪 出身の三次 レリーフ除幕

 1964年東京五輪の開会式で最終聖火ランナーを務めた三次市出身の故坂井義則さんの功績をたたえるレリーフの除幕式が27日、同市東酒屋町の市運動公園陸上競技場入り口付近であった。市内の社会奉仕や商工業の団体代表者でつくる実行委員会が市に寄贈した。(野平慧一)

 レリーフは、縦40センチ、横50センチのステンレス製。表面をエッチング加工し、聖火台でトーチを掲げる場面などの写真を付けて歩みを紹介している。2020年の東京五輪を前に顕彰し、後世に伝えようと実行委が設置。費用の約100万円は寄付金で賄った。

 式は、前田茂実行委員長(67)や増田和俊市長、坂井さんの妻朗子さん(68)、弟孝之さん(68)たち6人が出席。東京五輪の事前合宿誘致を目指す増田市長は「子どもが夢を持ち、未来にわたり語り継がれるようにしたい」とあいさつ。前田委員長は「三次の財産として市民が理解し、目標となれば」と述べた。

 坂井さんは、広島に原爆が投下された45年8月6日生まれ。早稲田大1年の時、戦後復興と平和の象徴として聖火台に点火する大役を担った。昨年9月、脳出血のため69歳で亡くなった。

 朗子さんは「孫と一緒に東京五輪を見たいと言っていた主人を思い出す。皆さまのお気持ちに感謝する」と目頭を押さえていた。

(2015年10月28日朝刊掲載)

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