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島根原発30キロ圏 住民避難計画 広島23市町に説明

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定した原発30キロ圏の住民避難計画をめぐり、島根、鳥取両県は11日、広島県の全市町を対象にした説明会を広島県庁で開いた。島根、鳥取両県は県境を越えた避難先確保に協力を求め、12月上旬までに受け入れ可能な施設のリストアップを要請した。

 23市町の危機管理担当者たち計27人が出席した。島根県の担当者は、避難先となる学校の体育館や公民館の数、それぞれの面積などの調査を要請した。調査結果を基に30キロ圏にある4市と調整。来年1~2月に受け入れ施設とその収容人数を確定し、避難計画案を作成するスケジュールを説明した。

 終了後、島根県の大国羊一危機管理監は「住民が安心できるよう、町内会単位でまとまって避難できるようにしたい」と話した。

 東広島市危機管理課の橋本明課長は「一度に多くの避難者に対応できる避難所運営の在り方など、検討課題は多い」と話した。

 原子力安全委員会は、原発事故に備え重点的に防災対策をとる地域を従来の半径8~10キロから30キロへ拡大する方針を固めた。島根原発の30キロ圏には島根県4市、鳥取県2市の約46万人が住む。島根県は県内施設での収容が困難な約30万人、鳥取県は入院患者など要援護者の一部の受け入れ先を確保することが課題になっている。

 島根、鳥取両県は同様の説明会を16日に岡山市、18日に山口市で開き、両県の全市町村に協力を求める。(門戸隆彦)


島根原発50キロ以遠に避難 独自計画 鳥取県草案

 鳥取県は11日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定し、原発30キロ圏の住民を50キロ以遠に輸送する独自の避難計画の草案を明らかにした。

 境港市全域と米子市の一部の約6万5千人を対象にする。両市の一時集結所から原則としてバス、JRで運ぶ。避難先は県東、中部の10市町の198施設。再避難の必要がないよう遠距離にした。

 入院患者や障害者たち要援護者は約6700人。要援護者を中心に避難施設の不足分は広島、岡山両県に協力を求める。このほか自主避難を呼び掛ける観光客も約1万4千人と想定する。

 この日、関係市町の実務担当者に対する説明会を開いた。乗用車による大渋滞の懸念、避難完了の目標時間の設定、島根県との連携強化を求める意見も出た。来年3月に暫定計画を完成させる。国の明確な方針が出れば柔軟に見直す。(円山文雄)

(2011年11月12日朝刊掲載)

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