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戦争の記憶 刻む冊子 岩国中卒業生が企画 空襲や原爆 生々しく

 終戦後の1948年3月に岩国市横山にあった県立岩国中の併設中学校生として卒業した同期生有志が、戦争体験を冊子にまとめた。戦後70年を機に企画。11月5日に市内である有志の集いで配る。(大村隆)

 「(岩国空襲後)皮膚がめくれあがった手が土の中からのぞいていた」「8月6日、東の空がピカっと光って、しばらくしてドーンという爆音が響き…」「(終戦後、中国東北部において)日本人宅を襲う暴動発生で、近くの学校に日本人が集合し約1週間の避難生活」―。

 集いの出欠確認はがきを活用し、戦争体験を記す欄を設けた。空襲や原爆、引き揚げ時などの様子がぎっしりとつづられている。幹事4人が発案し、8月末、約40人へ往復はがきを発送。19人から体験を記した返信があり、A4判、15ページの冊子にまとめた。

 集いは2003年、同期生の記念誌を発行したのをきっかけに、編さんメンバーたちが毎年開いてきた。12回目となることしの集いには30人が出席を予定する。

 幹事として冊子をまとめた同市通津の穴水正義さん(82)は「機銃掃射から逃げ延びたといった記述もある。人づての情報だけでなく、原体験を記録する大切さを感じた。当日は旧友とゆっくり当時を振り返りたい」と話している。

(2015年10月29日朝刊掲載)

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