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国連欧州本部 常設で原爆展 開会式 広島市長が出席

 スイス・ジュネーブの国連欧州本部で11日、原爆資料の常設展示が始まった。開会式典には、資料を提供した広島、長崎両市や国際機関の関係者たちが出席。広島市の松井一実市長は「展示を通し、核兵器が人類の存在を脅かす絶対悪であると伝えたい」と意義を強調した。

 常設展で、広島市は原爆の熱線を浴びた瓦や陶器など5点、長崎市は原爆で倒壊した旧浦上天主堂の天使像など8点を展示する。やけどを負った被爆者の写真や核軍縮の動きなどを紹介するパネルも展示している。

 式典で国連欧州本部のカシムジョマルト・トカエフ本部長は「核兵器廃絶の努力を続けなければとの思いを新たにさせる」とあいさつ。長崎市の田上富久市長は「紹介しきれなかった多くの事実にも触れてほしい」と述べ、被爆地訪問のきっかけにしてほしいと呼び掛けた。

 ニューヨークの国連本部では1983年から常設展示をしているが、欧州本部では初めて。展示場はロビーの一角にあり、見学ツアーのコースに組み込まれる予定だ。(ジュネーブ田中美千子)

(2011年11月13日朝刊掲載)

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