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被爆地図で修学旅行誘致 広島市が大型5000部 平和学習 手助け

 広島市は、修学旅行誘致の一環で、原爆で被災した市内の状況や平和記念公園(中区)にあった被爆前の街並みを紹介する大型の両面地図を作製した。広島を訪れる旅行前の平和学習や、被爆体験を聞く際に役立ててもらう。(藤村潤平)

 縦59センチ、横83センチで5千部作った。片面に被災状況を知らせる地図、裏面に戦前の平和記念公園一帯の街並みを復元した図を掲載する。

 被災地図は、市が1971年に刊行した広島原爆戦災誌の付録と同じもの。当時の町名や主要施設が掲載され、被爆体験を理解する手助けとなる。

 裏面の復元図は、平和記念公園の空撮写真に被爆前の住居や店舗を重ねている。中国新聞社が2000年に連載企画「ヒロシマの記録―遺影は語る」で掲載した復元図を提供した。

 地図は修学旅行誘致の市の専門員が全国の学校を訪問する際に持参し、広島訪問を呼び掛ける材料で活用する。

 10年度、公園内の原爆資料館を訪れた児童・生徒の団体客は約30万8千人。ピークの85年度より約46%減少しており、市はてこ入れを迫られている。市観光交流部の白惣雅和修学旅行誘致担当課長は「視覚的な資料があれば平和学習の理解度が深まる」としている。

(2011年11月13日朝刊掲載)

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