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規制委、採取地層を確認 宍道断層の現地調査終了

 原子力規制委員会は30日、再稼働に向けた国の審査が進む中国電力島根原発2号機(松江市)の南約2キロを東西に走る宍道断層について、2日間の現地調査を終えた。石渡明委員は調査後、「現時点で再度の現地調査は考えていない」と述べた。

 中電が同断層の長さを22キロと主張しているのが妥当かをみる2回目の現地調査。この日、石渡委員と原子力規制庁の職員10人は、2号機西側で進む安全対策の工事現場で、大きく湾曲した地層を観察した。その後、中電が断層西端としている付近の同市魚瀬(おのぜ)町の女島などで実施したボーリング調査で採取した地層9本を原発敷地内の施設で確認した。

 同断層の長さは、島根原発の耐震設計の目安となる基準地震動に影響を与える。石渡委員は「今後審査会合で議論し、結論を出す」とした。同行した中電の清水希茂副社長は「基準地震動は再稼働の第一条件。(今回の現地調査は)地震動確定に向けて前進したと感じている」と話した。

 中電は1月に長さを22キロと報告したが、規制委に2月の現地調査で根拠となるデータ不足を指摘され、追加調査を実施。7月に再び22キロと報告していた。(秋吉正哉)

(2015年10月31日朝刊掲載)

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